『ふしぎの海のナディア』(Nadia, The Secret of Blue Water)は、NHK総合で1990年4月13日から1991年4月12日にかけて、金曜日19:30~20:00に放送されたテレビアニメ。全39話。
ジュール・ヴェルヌによるSF小説『海底二万マイル』及び『神秘の島』を原案とし、監督は庵野秀明、キャラクターデザインを貞本義行が務めた。
『不思議の海のナディア』は誤りで、最初の3文字は平仮名である。画面のタイトル題字の「海」は篆書体で書かれている。
19世紀を舞台に、発明好きの少年・ジャンと青い宝石「ブルーウォーター」を持つ少女・ナディアが巻き込まれてゆく、古代アトランティスの超科学文明を利用して世界征服を企む秘密組織・ネオアトランティスとそれを阻止しようとする万能潜水艦ノーチラス号の戦いを描く。
企画の原案は『未来少年コナン』などを制作した宮崎駿監督だったが採用されず、宮崎はそれをスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』として作品化した。しかし元の企画そのものはNHKに残され、後に本作となった。謎の青い石や超古代文明の存在などの『ラピュタ』を連想させる設定や、1話のナディアが追われるシーンなどのストーリー展開があるのはこのためである。製作はNHKと東宝、アニメの制作元請けはグループ・タックで、実質的なアニメ制作を行ったガイナックスは孫請けの形である。テレビ放送のダイジェストに新作部分を加えたアニメーション映画も製作された。
東宝の説明によるとナディアの持つブルーウォーターや作中のメカ群は商品化上の「セールスポイント」だそうである[1]。
当時、映画やOVA、パソコン用アダルトゲーム『電脳学園』の開発などにより、コアなファン層にのみ知られていたガイナックスが、NHKでの放送用にアニメを作る事でより広範囲に認知されるきっかけとなった。その他にも「サービスカット」が登場するなど、当時のNHKアニメでは考えられなかった要素を加えた事で話題になる。本作はテレビアニメのみならず、劇場用アニメ映画、小説、CD・LD・DVD(おまけ劇場)、ゲームなどにメディア展開した。
作品の中では、旧約聖書の創世記などの神話、アトランティスなどの伝説、古代宇宙飛行士説、過去の歴史やSF、マンガ、特撮・映画、アニメのパロディを多数取り入れている。また声優陣に関しては、声の質以外にも、キャラクターと風貌が似ている事も選ばれた理由という。
また、次回予告はNHKらしく、ナディアらがBGMと視聴者から送られてきたイラストをバックに解説するという、一風変わった手法を使っている。
なお、LD-BOX制作時に庵野により徹底的な監修が行われた結果、LD-BOX版ではいくつかの場面では修正(リテイク)したものが使われており、TV本放送時の映像と完全に同一ではない。DVD-BOX制作時に再マスターを起こすことが検討されたが、アニメスタッフ側の強い要望でLD-BOX用マスターこそが「オリジナル原版」であると確認されたため、DVD-BOX版もLD-BOX版と同一のマスターが使用されている[2]。分売DVD版も「オリジナル原版」を使用していると思われる。ただし、ビデオ版が本放送版、「オリジナル原版」のどちらを使用しているかは不明である。
他のNHKチャンネルではNHK衛星第2『衛星アニメ劇場』、NHK教育で再放送された。また、民放テレビ局でも再放送が行われているほか、インターネット上ではGyaOやYahoo!動画などでもネット配信されている。
あらすじ
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員であるナディアと、ナディアの友達である赤子ライオンのキングに出会う。
彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオ・アトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女、マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。
ナディア
声:鷹森淑乃
本作の主人公で、褐色の肌と藍色の髪の少女。1875年5月31日生まれの14歳だが、物語の当初、本人は自分の出生地・誕生日を知らない。孤児で幼い頃からサーカスで曲芸を仕込まれたため、優れた身体能力を持つ。親と生き別れた時に預けられた宝石「ブルーウォーター」によって数奇な運命にジャンと共に巻き込まれていく。血液型はA(RH+)型。身長155cm。体重43kg。スリーサイズはバスト79cm、ウェスト58cm、ヒップ83cm。足のサイズ22.5cm。指輪のサイズ7号。特技は一輪車、玉乗り、水泳[3]。
感情の起伏が激しくわがままで、しかも素直に自分の感情を表せない性格。だが、正義感が強く、ネオアトランティスに人質に取られても決して屈しないなど、精神的にも強い面もある。初めは鬱陶しく思っていたジャンに少しずつ惹かれていくが、些細な事で怒ってまた遠ざけるといったことを繰り返している。また、人間に対する猜疑心が強く、1話の時点ではサーカスから連れてきたライオンのキング以外には心を開かなかったが、ジャンやグランディスたちとの触れ合いの中で、徐々に打ち解けていく。自分の生まれ故郷を見つけるのが夢。
サーカスにいた頃に様々な動物と仲良くなり、売られてゆく老いたサーカスの牛の声が聞こえたという。それゆえに動物が殺されるところを見た時に強い衝撃を受け、肉や魚は一切口にしないベジタリアンとなった。生物の命を奪う者は全て悪人と信じきっており、生存のための狩猟に対しても強い敵意を向ける。しかし、野に咲く花を摘むことをためらう一方で自分を刺そうとする蚊は平気で殺したり、バーベキュー味のスナック菓子も屁理屈をこねて平気で食べる。なお、好きな食べ物はプレーンの卵焼き、豆腐、ヒヨコマメ。嫌いな食べ物はたまねぎ、しいたけ、ピーマン[4]。
フルネームは「ナディア・ラ・アルウォール」。実は古代アトランティス人の血を受け継ぐタルテソス王国の王女である。最終話のマリーが語るエピローグの中でジャンと結婚し、子供をもうけている姿が紹介される。その時もまだベジタリアンのままだったが、家族のために肉や魚の料理を作れる程度にまでは変化したようである。ただ、料理は下手でまずい。肉料理を味見する事すら極端に嫌うため、味の調整をしないからと推測される。
また、動物たちと話ができると自称していたが、これはNHK側が指定した主人公の初期設定に従ったもので、実際にはそのような能力はなく、単に本人の願望だったことが後に放映された『BSアニメ夜話』で暴露された。
かなり嫉妬深く、ジャンが他の女(エレクトラやグランディス、ゲーム『~Inherit the Bluewater~』に登場するソフィア・ロックヘルド)に近づくと、ジャンに辛く当たることも多い。その性格から、放送当時はファンの間で「アニメ史上最も非道なヒロイン」の名をほしいままにした。ジャン役の日高のり子も「自分がジャンの立場だったら“お前なんか勝手にしろ!”と思うシーンが沢山あった」と語っていたが、クライマックス近くになると、泣きながらジャンに抱きついたりと素直に想いを表している。
劇場版では17歳に成長し、ロンドンで見習い新聞記者(実際は雑用係)として働いている。性格はTVシリーズよりもかなり丸くなりわがままも控えめになっているが、ファジィに嫉妬してジャンに詰め寄るなど嫉妬深さは変わっていない。
ナディアの性格は庵野監督の当時の性格を反映させていた。また、『島編』の暴走ぶりは「周りから見た庵野監督」をモチーフにしていた。
ジャン
声:日高のり子
フランス人の少年。14歳。トンボ眼鏡と蝶ネクタイがトレードマーク。フルネームは「ジャン・ロック・ラルティーグ」。発明好きで、海で行方不明になった父を自分が作った飛行機で探したいと思っている。叔父と万国博覧会に賑わうパリの都に行き、ナディアと出会ったことで物語は始まる。
いつかナディアを自作の飛行機に乗せ、彼女の故郷(と考えていた)アフリカまで連れて行くことを目標にする。自力でプロペラ式航空機を発明し、後に更にそれを改良。最後は、ジェット式航空機まで開発した。性格は純粋で素直で人に好かれ易く、温厚で呑気だが、思い込んだら一直線となる猪突猛進型で、ガーゴイルも賞賛するほど勇敢でもある。女性に対しても積極的で、一目惚れしたナディアに対し積極的にアプローチしている。グランディスによると、母親を早くに亡くしたからかマザーコンプレックスかシスターコンプレックスの気があり、実際にエレクトラに懐いていた。一方、メカにのめりこみすぎる点や、女心に鈍い点、音痴であることなどが欠点。
ジャンの夢だった父親探しは、物語の中盤でネオアトランティスに襲撃されて死亡していたことが、父親の部下だったエーコーの昔話から判明した。最終話でガーゴイルによって滑落死させられたが、ナディアがブルーウォーターの力と引き換えに生き返らせる。ゲーム「Inherit the Blue Water」ではジャンの視点で物語が進むため、本編同様に死んだジャンの魂をナディアの母親(の魂)が呼び戻すシーンがあるほか、シナリオの進め方によってはジャンは死なず、代わりにゲームオリジナルキャラのソフィアを生き返らせることもある。エピローグによれば、1902年の時点で5年前(1897年)にナディアと結婚して眼鏡まで自分に酷似した男児(CDドラマ「A.D.1901」ではナディアは「ジュニア」と呼んでいる)を得ており、1907年時点ではさらに第2児(性別不明)をもうけていることが分かっている。
ノーチラス号に乗船していた折に料理は作った事がないと話していたが、コメディ色が強い「島編」では餃子などを作る場面が描かれている。放映当時、日高の所には女の子から「ジャンの様な彼氏が欲しい」という手紙が沢山来ていたらしい。ゲームではプレイヤーキャラクターになる事が多い。
劇場版ではナディアと同じく17歳。相変わらずの発明三昧の日々で性格もあまり変わっていないが、TVシリーズよりもワイルドになっている。ナディアとの関係は、ファジイに嫉妬するナディアをからかったりと、TVシリーズより余裕があるように見える。
マリー
声:水谷優子
そばかすが目立つ4歳の少女。1885年4月10日。フランス・マルセイユに生まれ。第5話から登場。
物心つく前に大西洋にあるべルデ諸島マハルに移住してきた。父はネオアトランティスに占領されたマハルの火力発電所の技師。ネオアトランティスのやり方に反対していた両親らが殺害され、1人だけ生き残ったところをナディアたちと出会い、行動を共にする。ナディアら周りの人物のいがみあいから気苦労が絶えず、精神年齢はかなり高い。グランディスやサンソンから入れ知恵され、ませた発言をすることもあった。
無人島でのネオアトランティスとの偶発的な戦闘時にネオアトランティスから2人で逃避行をし、サンソンと急速に親しくなり最終話では16歳にしてサンソンと結婚している。CD『Good Luck Nadia 〜Bye Bye Blue Water PART2〜』収録の「シリーズ恨歌・おさな妻」ならびにミニドラマにおいては15歳にして妊娠、それをサンソンに告げた際に正式なプロポーズを受けている。
フルネームはCDドラマの寄宿舎のシーンでは「マリー・エン・カールスバーグ」、アニメのエピローグでは「マリー・エン・レーヴェンブロイ」。前者は旧姓、後者は結婚後の名前と推測される。
キング
声:桜井敏治
ナディアが連れているオスの白ライオン(実際は白っぽい灰色)の子ども。マリーの登場後は彼女とコンビで行動することが多い。
人語をある程度解し、簡単な算数もできる。コメディパートでは2足歩行を披露し、島編に入ると釣り竿を持って魚釣りもするなど、徐々にライオン離れした、人間に近い行動を取るようになっていった。周囲からは頻繁にネコと間違えられており、実際に鳴き声もネコのようである。希少種らしく、ゴンザレスに拉致されたこともある。
最終話(A.D.1902)で成長した姿を見せ、立派なたてがみと2匹の子供を披露した(子供と孫の可能性もある。なお2匹のうちのどちらか定かではないが、CDドラマ『A.D.1901』ではキングの子供である赤ちゃんライオンの名がキングザウルス三世であることが確認できる)。
グランディス一味
グランディス一味のキャラクター造形は、庵野秀明のアイデアで、「タイムボカンシリーズ」における三悪パターンの変形版になっている。オリジナルでは痩せたメカ担当と太った怪力担当だったが、本作では入れ替わっている。
バポス ランパン スモーク ワード ねじめ ブルー ケチャ ゴム編み じゃっこ リッチ マリンスノ ラーマー パブコメ フェテ タリア 森の小人 ザイール パパ シエナ ユニット アセビ ムスク フォルタ メンテ ミサンガ ディス ジーンズ ニュート ブラッシ ブロック タイチュー ブルネット フラワー チュート ダブル クーチュ エアリアル スワジ 地平線 セミオート パテント 黒いカバン リンパ バトン 人魚姫 ハンドガン ラスプーチ スイン クラウト ターテー
グランディス・グランバァ
声:滝沢久美子
28歳。赤い髪が印象的な女性で、料理が得意。ネオアトランティスによる懸賞金目当てにナディアの持つブルーウォーターを狙うこととなる。しかし後にブルーウォーターより魅力的な海の宝石(ネモ船長)を見付け、ナディアらとともにノーチラス号に乗り込むことになる。悪ぶってはいるが5話で和解前のナディアたちの救助に向かうなど、基本的には善良で、結果的にはナディアに協力してガーゴイルに立ち向かう。
元はイタリアの資産家の娘だったが、結婚詐欺に遭いほぼ全財産を失った過去がある。その後の自分の生活を支えたのが母が残した宝石だったことから、宝石に執着するようになった。ネモに一目惚れするが、ハンソン・サンソンによれば、元々渋い中年好みで、一目惚れしてはその都度失恋していたらしい。人生経験からナディア達を度々はげます大人の女性でもある。
サンソン
声:堀内賢雄
27歳。一見長身の優男。その実、ネオ・アトランティス製の人型タンクと素手で格闘して破壊したこともある怪力の持ち主。また射撃の名手でもあり、特殊弾を拳銃で射撃し、ノーチラス号の危機を救ったこともある。かつ、スピード狂。ジャンにとっては良き兄貴分。
気障な態度で綺麗な女性には必ずアプローチをかけるが、社交儀礼としてのものであり、のめりこむことはない。また相手から感謝されたりすると、気恥ずかしさからクールに振舞う場面もある。かつてはグランバァ家に仕える運転手で、グランバァ家が没落して他の使用人が逃げてしまった後もグランディスを姐さんと呼び付いてきた。
グランディスに恋心がなかった訳ではないようだが、今ではほぼ主従関係の様子。後にマリーと結婚する。マリーの結婚後の姓からファミリーネームは「レーヴェンブロイ」と推測される。
ハンソン
声:桜井敏治
27歳。小太りの小柄な男で、機械工学の天才であり、ジャンと機械について語り合える数少ない人物である。
万能戦車「グランディスタンク」(通称グラタン。ノーチラス関連を参照)を作る。
サンソンと同様、グランディスが全財産を失う前からグランバァ家に仕え、修理技師を務めていた。根は純朴な青年。同じ発明好きという事もあり、ジャンとは気が合う。
口癖は「そ、そ、そ、そ」で、これは監督庵野秀明の口癖でもある。
最終話では自分の技能を活かして自動車会社を興し、ノーチラス号の仲間の中では一番の出世を果たしている。
ノーチラス号の乗組員
アトランティス人の宇宙船を改造した潜水艦に乗り、人知れずネオアトランティスと戦う。乗組員の声は兼役が多く、操舵長や水準操作員、登場当初のイコリーナなど、準レギュラーですら担当声優が明確には決まっていない者もいる。
ネモ
声:大塚明夫
ノーチラス号の船長。46歳。海洋生物学者。ネオアトランティス打倒とガーゴイルへの復讐に身を切らして骨を断つかの様に非情なまでに心血を注ぐが、偶然にもノーチラス号にナディアが乗り込んで来たことで、その姿勢に変化を見せる。「ノーチラス号は軍艦ではない」ことを理由に艦長ではなく船長と呼ばれることにこだわる(フランス語に両者の区別はないはずだが)。
本名は「エルシス・ラ・アルウォール」。ナディアの父親であり、アトランティス人の末裔で、かつてはアフリカにあったタルテソス王国の国王。しかし宰相ガーゴイルの世界征服の野望を阻止するため、自らの手で国を滅ぼした。その際、ネモの息子で、ナディアの兄「ビナシス・ラ・アルウォール」は瀕死の傷を負い、ナディアはその兄に窮地を救われた。彼はその後本名を捨て、ラテン語で「誰でもない」という意味の「ネモ」を名乗るようになった。ノーチラス号が失われた後、旧タルテソス王国の地下にあった発掘戦艦Ν-ノーチラス号でガーゴイルとの最終決戦に臨む。最後には大気圏突入するレッドノアから自分の命を犠牲にナディアに「してやれることはこれだけだ」と言い残して、発掘戦艦に残り、その主砲で彼女らの脱出路を切り開いた。
名前は「ノーチラス号」と同じくジュール・ヴェルヌ作の小説に登場するネモ船長から。パイプオルガンを演奏する点もこれに由来する。当初は冷静なキャラクターの予定だったが、演じている大塚明夫の雰囲気の影響を受け、勢いでいくタイプになった。超時空要塞マクロスのブルーノ・J・グローバル艦長が造形のモデル。
一度舞台から退場し、再び登場するまでの間に通常ありえないほど髪の毛が伸びている。登場しなかった期間は作品内部の時間で1年に満たないが、腰まで届く、つまり1メートルほどの長髪にまでなっていた。
エレクトラ
声:井上喜久子
ノーチラス号の副長。自称、四捨五入して20歳(設定では24歳)で、周囲を惹きつける美貌を持ち、ジャンやハンソンを魅了した。ジャンには死んだ弟の面影を見出し、姉のように接していた。フルネームは「メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ」。
タルテソス王国滅亡の際に孤児となったところをネモらに救われ、以後行動を共にしている。ネモに対しては、自分を拾い育ててくれたことへの感謝と恋愛感情を抱く一方で、ガーゴイルの野望を阻止するためとはいえ国を滅ぼし家族を死に追いやったことへの憎しみをも持ち、複雑な感情を抱いている。第22話では、ネモの気持ちがナディアにあってそして今までとは変化しているとして嫉妬心を抱き、沈みゆくノーチラス号の艦内でネモに対する激情を爆発させる。
最終話ではノーチラスの一行と別れを告げるネモの口から「あとのことをたのむ」と言われた時彼女がお腹を愛おしそうにさすることからネモの子を身篭っていることが暗示される(エピローグでは子供を生んだとマリーが画面に語りかける)。
名前はギリシア神話のエーレクトラー(ならびに神話に由来するエレクトラコンプレックス)に由来し、養父とも言えるネモに対する彼女の心情を示している。
第20話では低血圧で朝が弱いということが明かされる。その際に自室の壁に日本の浮世絵(葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』や東洲斎写楽『三世市川高麗蔵』)が掛けられている。
元々は黒人キャラクターであり(徳間書店のロマンアルバムで初期設定が確認できる)、作中でも有色人種として描かれている。
エーコー
声:松本保典
フルネームは「エーコー・ウィラン」。レーダーとソナーを担当する測的長。
フランス人で、以前乗っていた船(エリーゼ・ル・アーブル号)をガーフィッシュに沈められたところを唯一の生き残りとしてノーチラス号に助けられ、彼らの仲間になる。その船こそジャンの父ラウル・ロック・ラルティーグが船長を努めていたことが語られ、ジャンは驚愕する。ジャン達にとっては良き兄貴分。
測的手になったのは、CDドラマ「第-(マイナス)1話」によれば、1888年にガーフィッシュの魚雷がメイン・ブリッジに直撃したことで、前任の測的長が戦死した場に立ち会ったことがきっかけ。
看護婦イコリーナのファンクラブ会員番号1番。ネオアトランティスとの戦いの後、イコリーナ・エッチーノと結婚。
機関長
声:島香裕
人生経験豊かな老人。第22話のエレクトラの回想シーンから、タルテソス王国崩壊時直後に既にネモらと行動を共にしていたようである。子供と孫がいたようだが、死に別れている。徳川彦左衛門に似たキャラクター。
操舵長
声:田原アルノ、他
筋骨逞しい。エーコーとは駄洒落を飛ばしあうなど気が合う様子。
航海長
声:清川元夢、他
インド風の風貌で、よくヨーガを組んでいる。
水準操作員
声:桜井敏治、他
バラスト、ネガティブ、トリムの各タンクへの注排水の担当者。長髪で無口。副操舵長でもある。
イコリーナ
声:井上喜久子、水谷優子
フルネームは「イコリーナ・エッチーノ」。この名前は初登場時まで設定されておらず、作品中では単に「看護婦さん」と呼ばれていた。そもそも彼女は1話限りの登場予定だったが、人気が出たために急遽レギュラーキャラクターとなり、この名前が付いた。
ノーチラス号のクルーを優しく手当てする看護婦で、艦内にはファンクラブまである。ちなみに、会員番号1番は測的長のエーコー。最終決戦ではΝ-ノーチラス号を退艦し、みんなの帰還を待つこととなる。帰還を待っていた時、戦いのない世界を望むとしていた。このシーンはサイボーグ009のオマージュと言われている。
戦いの後、エーコーと結婚する。
医師
声:藤本譲
フルネームは「デンギル・エッチーノ」。看護婦イコリーナの祖父でもある。「でんぎる」、「いこる」は共に方言でほぼ同じ意味を持つ。
科学技術部長
声:清川元夢
機関長同様にタルテソス王国滅亡時からネモと行動を共にしていたようである。第37話ではハンソンと共にグラタンを改造するも、Ν-ノーチラス号が静岡付近に寄った際に退艦。庵野によれば、本編でもっと活躍するはずだったが、毎回内容過多のために真っ先にエピソードがカットされた、もったいないキャラクターとのことである。
フェイト
声:関俊彦
機関員。アメリカ艦隊によるノーチラスに対する攻撃の際、被弾の被害により発生した有毒ガスから艦を守るため発せられたネモの命令により他の2人の乗組員と共に補助機関室に隔離され命を落とす。ゲーム『~Inherit the Bluewater~』では、大幅に出番が追加されているが、同様に命を落とした。